「月の光」
── クロード・ドビュッシーによる作曲
モーラ・リンパニーによる演奏
そこに小谷ふみの訳詞を重ねた動画
制作いたしました。
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https://youtu.be/rbxTUCDfOWk
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19世紀
絵が詩を呼び、詩が音楽を呼んだ
芸術の連鎖にあこがれ
そのたすきの一端を
ぼくらなりに引き継ぐことができないだろうかという
思いから制作を思い立った活版印刷・作品集。
ただ、ヴェルレーヌの詩を直訳してみても
いまひとつ、その意味や情感が伝わってきません。
たとえば
ヴェルレーヌの詩の背景には
ベルガモ地方(イタリア北部)で
盛んであったとされる
職業的旅芸人集団「コメディア・デラルテ」
の存在があったとされるのですが
現代の日本に生きる我々からすると
「月の光の下
仮面をつけ
笛やリュートに合わせて踊る」
と言葉にできたとしても
そのシーンを実感として捉えることは
困難であるように思うのです。
もちろん、直訳詩には直訳詩で
そこに自分の知らない世界や他者を感じ
結果、自分の世界をも広げてくれるような
独特の魅力があるとは思っています。
ただ、おそらくはドビュッシーも
ヴェルレーヌの詩をそのままなぞる以上の
想像力/創造力でもって
『月の光』を作曲したように
今を生きる我々も
過去の作品たちからインスピレーションを受けつつも
より想像的/創造的に
そこに自分たち自身を重ねられるような作品を
つくってみてはどうかと考えたのです。
それは、19世紀当時に
ヴェルレーヌがおそらく見たであろう景色を想像し
その絵を現代の絵へ
そして現代の言葉へと置き直していく道程であり
ドビュッシーの旋律に秘められた言葉を
創造的に読み取っていく挑戦でした。
それは、「翻訳と創造のあいだ」
このようにして、小谷ふみ作
『月の光』ができあがりました。
<作品詳細>
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書 名 :月の光
フランス語詩:ポール・ヴェルレーヌ『艶なる宴』より
日本語詩 :小谷ふみ
出版社 :クルミド出版
発行日 :2015/05/04
音楽譜 :クロード・ドビュッシー『ベルガマスク組曲』より
サイズ :A4
組版・印刷 :嘉瑞工房・高岡昌生
▽印刷の様子
https://youtu.be/AJLr10GZTj0
<訳者プロフィール>
小谷ふみ(こたに・ふみ)
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1975年8月30日生まれ、西国分寺育ち。フェリス女学院大学英文学科卒業後、英語と日本語の先生業(専門は音声学)の傍ら、読み聞かせの詩や、随筆のような詩のような作品を書く。「青い自転車の夢」が、第14回読売新聞こども未来賞入賞。